キム社長と秘書３

ハッキリと ページ29

『フフ 専務やりますね』

　


NJ「全く‥悪趣味な」





すごく楽しそうに声を出して笑っている。


こんな間抜けな俺を見て笑ってるのか。







『専務らしいですけど』




NJ「会食をキャンセルして来たんだ。焦って‥」



『へぇ‥‥』






久しぶりに見上げてくる素顔は


目がぱちぱちしていて、可愛くて仕方ない。





『焦って来てくれたんですか？』



　
NJ「別に」




『照れてます？』




NJ「‥‥からかうな」




『フフありがとうございます。すごくいま幸せです』





幸せだなんて

ここへ来ただけでそんな言葉を言われるなんて






NJ「幸せなのは、俺の方だろう」


　




キレイな目だ



そんな目でまっすぐ見つめられると


いつもの仕事の関係を忘れてしまいそうだ






『社長‥‥わたし』
　







見つめ合えば

あっという間に 男と女の空気に変わっていく




NJ「‥‥」





お互いに吸い寄せられるように近づいてしまう。






触れるまであと少し





『‥‥‥また泊まりますか？』




NJ「いいのか」



『いいですよ』





キスしてしまいそうな距離だが







NJ「‥‥‥その前に、ハッキリとさせておく」






３度目は、もう有耶無耶にしたくない。








NJ「俺は 体の関係を続けるつもりはない」





１度目も、２度目も、そんなつもりはなかった。



　



『‥もう、しないということですか？』




NJ「俺が欲しいのは体じゃない」


　



そう 体が欲しいんじゃない




NJ「Aさんの全部が欲しい」

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