略奪 " 愛 "【JIMIN】3

ep.108【JM】 ページ8

あれからもう一度、ヌナを抱いた。





お互い衣服を身につけていた時、

「ちゃんとするから...」

ヌナが言った、ちゃんと(・・・)とは
婚約者との事だと直ぐに分かった。




「うん。ありがとう」



その一言に胸がギューッと締め付けられたけれど、
僕はそれしか言葉が出てこなかった。






ヌナの事を信じてる。

後悔もしてない。



でも...２人の関係を自分が壊してしまったと思うと、何とも居た堪れない気持ちになった。









「じゃあ、そろそろ帰るね。」



「ヌナ...僕の側にいてくれるよね？」



こんな質問...

僕は何処まで弱い人間なのだろうか。







「好きよ。」



ヌナは微笑みながらそう言って、僕を抱き締めた。


あぁ、、やっぱりヌナといると落ち着く...



「僕も好き」


自分もギュッと抱き締め返した。







「また連絡するね。残りの公演も頑張って。」



「うん、、ありがとう。」




本当はこのまま帰したくないし、離れたくない。



でも今から、メンバー達とバラエティ番組
「RUN(タリョラ)」の撮影がある。



それが終わったら直ぐに韓国に戻って、広告撮影を
済ませて、、その後は海外でのLIVEのツアーが待っているわけで。。






次はいつ会えるかな...。

ふと、嫌な予感が頭をよぎって、


ブンブンと頭を左右に振って、考えないようにした。






でも、何より絶対に無理だと思っていたヌナに、、、気持ちが伝わったと想うと、嬉しくて堪らなかった。






ヌナを玄関まで見送って、おでこにチュッと音を
立ててキスをする。




「気をつけて帰って。もし何かあったら遠慮
なく連絡して。」




「うん分かった。また連絡するね」


ヌナは満面な笑みでそう答えた。





「じゃあ、またね。」


遠ざかるピンヒールの音を聞きながら、重たい玄関の扉を閉めた。

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