略奪 " 愛 "【JIMIN】3

ep.111 ページ11

.





私は今から結婚を破棄する。




「...好きな人が出来た」



一瞬にして凍りついた空気...





優志は何も言わず、静かにコーヒーを啜った

そして私の言葉を待っているかのように見えた。





ちゃんと説明しないと...



「...最近、仕事でよく会うようになって、
それで、、次第に惹かれていっ...」

　

「聞きなくない。」


私の言葉を遮った、優志。






驚いて、顔を見上げる。

２年間一緒にいて初めて見る怒った表情の彼。





「それで、Aはどうしたいの？」




「・・・」




「結婚を破断してまでその人と一緒にいたいってこと？
そこまでするって事は、その人もAの将来の事も
もちろんちゃんと考えてくれてるって事だよね？」





「・・・っ」




どうしよう、、。

彼が言った将来の事とは、つまり結婚のこと




彼はアイドルだし...将来の事なんて...まだ....


色々考えていたら言葉に詰まってしまって何も言えなくなった。







黙り続けている私に、はぁーと溜息をついて、

「相手は誰？」

困ったように眉を下げた。




「・・・」


これも...ｼﾞﾐﾝ君だとはとても言えない。。




また暫く沈黙が続いて、

「ごめんなさい...言えないの。」

その一言しか、言えなかった。





そんな私を見て、
はぁー、と優志がまた溜息をついた。




「納得がいかない。

相手が誰かも何も説明されてないのに、
謝罪の言葉なんか聞きたくない。

あんまり、たらればの話はしたくないけど、
逆に俺が同じ事をしたらAは納得した？」





「・・・っ」




そんなの...受け入れるはずがない。


私も怒り狂って優志を怒鳴るし、もっとそれ以上に
酷い言葉を言ってしまっているかもしれない。

ep.112→←ep.110

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す