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「テヒョンはアンタのこと気にいってるし、
こちら側のマイナスになることをやる度胸もなささそうだし警戒するものじゃないけど…
一応身辺調査を、って思ってね」
『それわざわざ私に言っていいことですか』
「アンタなら大丈夫そう。それどころじゃないっしょ」
『…今の見てれば分かりますよね、暇じゃないので失礼します』
「どうするのお金。足りないんでしょ?」
『…考えるので大丈夫』
「他の闇金から借りても結局一緒だよ、借金地獄」
『分かってますよ』
「じゃあ、なに?肝臓でも売る?」
『まぁ。考えてないわけではないですけど。
まだ若いし、煙草も吸わないし、高値で売れないかなって…
でもユンギ先生の副流煙吸ってますね』
「ぷはは!アンタ結構おもしろいね!」
腹を抱えて笑い出すジミンさんに
結構真剣だったんだけどと少し恥ずかしくなった。
お金貸してあげる、いくらいるの?なんて聞いてくるから、癪すぎてNOと答えた。
でも元々、テヒョンさんの入院とか怪我のことで口止め料として支払おうと思ってたから甘えて借りなよって。
私にとっても思ってもみないチャンス。
あの人たちよりジミンさんたちの方が安全、とも言い切れそうにないけど
テヒョンさんの手当をした時から乗り掛かった舟だ。
ここまできたらなにがなんでも生き残ってやる。
お金持ってくるから家で待ってて、とジミンさんから待機命令が出たから大人しく待つことに。
なんだかどんどん現実から離れていくような生活になってしまった。
闇金に行かなくても結局ジミンさんから借金してしまうんだから延々ループ。
さっさと臓器のひとつでも売って、普通の生活を送りたい。
『て、臓器売った時点で普通とはかけ離れるじゃん』
誰にも届かない。
なにもかも捨てて逃げたくなってしまう。
誰か
私に存在してもいいという
根拠を与えてよ…。
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作者名:りー | 作成日時:2023年10月24日 11時